代表からのご挨拶
ホープガーデンの使命は「困窮者の救済」
会社の理念は「今ここにない未来を創る」
2008年にアメリカでリーマンショックが起こりました。それにより日本でも職を追われる在日外国人たちが続出し、私は彼らの支援を行っていました。今思えばそれがホープガーデンの土台となった出来事だったと思います。リーマンショックは一気に世界中に不況と貧困をもたらし、今の世の中、いつどんなことがこの身に及ぶかわからなくなりました。
私は、障害者が自立し、幸せな道に進むことが私たちの使命だと考えています。そのためにはしっかりとした運営と強い経済基盤が必要です。
3年前、群馬県内には就労移行に特化した事業所が一つもありませんでした。就職が決まっても、寝坊や無断欠勤で会社を辞める障害者が多く、様々な手配と実習を終え、就職した障害者があっさり遅刻や欠勤で辞めていきました。障害者採用を諦める会社もあり、障害者本人と採用する会社側に、負のスパイラルが発生していました。
そこでホープガーデンが始まったのです。国民総中流意識と言われたのが20年程前ですが、これからの日本は先行き不透明です。今や、子供の6人に1人が貧困と発表されました。生活保護受給者は群馬県の人口を超え、本当に大変な時代になったと感じます。
先行き不透明な時代だからこそ、いざというときに備えたいのです。「今ここにない未来を創る」必要が増しています。障害者や高齢者の問題、育児問題などに備える未来を創りたいのです。
ホープガーデンを始める際には、おそらく100回以上「難しいよ」とか、「リスク高いよ」などと言われ続けました。
「比嘉さん、お金はありますか?」
「本当にできるんですか?」
「失敗したらどうするんですか?」
「群馬では就労移行だけで成功しているところは1つもないですよね。」
「成功のための調査はしっかりしたんですか?」
「就労移行なのに、送迎をする。就労移行なのに?」
「やりすぎですよ。ここでブレーキを踏んでください。」
このような疑問や心配はいつも起こりますが、どんな試練や課題が生じても脱出の道があります。使命を成し遂げる、何でもできる世界がある、これが私の生きる世界です。
最初のチャレンジとして、2013年5月、ホープガーデン前橋を立ち上げ、2014年5月にホープガーデン富岡を、2014年12月にホープガーデン気仙沼を被災地に設立しました。最初7人の職員から始まり、2年目は15人、3年目が30人を超えるようになってきました。何度か人事のピンチや経済のピンチがありましたが、あきらめることを知らない役員は、徹底して見えないところで解決にまい進しました。その他のスタッフは業務に専念し、問題の嵐を乗り越えてきました。どの問題を解決するかより、誰が解決するかが重要であり、どうやって問題解決するかではなく、どの世界で生きるかが問題です。そのように敬愛する方々と、ここまで共に船旅ができて感謝に絶ません。「やっと私の世界にきたね」と私の神が言っているような気がします。
困窮者の方々を救うとは大げさなようですが、自己満足に陥らず、将来に備えて、「困窮者の救済」、「今ここにない未来を創る」という姿勢を、日常のホープガーデンの業務に生かしていきたいと考えています。現状困窮しているクルーがいる。就職もですが、家族関係やお金の問題があるかもしれない。相談相手や聞き役になるだけでも大切な支援です。全職員が「困窮者の救済」「今ここにない未来を創る」を自分の使命であり、理念として受け止めていただきたいと願っています。そして、一人でも多くの支援を必要としている方に、支援の手が届けばと願っています。
株式会社希望舎 HOPE GARDEN
代表取締役 比嘉 正元